「ステファニー 死体と暮らす少女」感想&レビュー ~何故?、私を置いていったの?~

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映画

今回紹介する作品は「ステファニー 死体と暮らす少女」です。

ちょっと風変わりなホラー作品です。映像と音楽が綺麗な作品です。

 

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作品情報・スタッフ・キャスト

「ステファニー 死体と暮らす少女」

製作年:2017年  ・製作国:アメリカ  
上映時間:85分 ・原題:「STEPHANIE」

監督:アキヴァ・ゴールズマン ・製作:ジェイソン・ブラム:「パラノーマル・アクティビティ」

出演:シェリー・クルックス/フランク・グリロ/アナ・トーヴ/ジョナ・ベレス/ラサンドラ・ギブソン……etc.

※監督は「ダヴィンチ・コード」の脚本家。「アイ・アム・レジェンド」、ハリウッド版「リング」等の制作に関わっている。

 

予告編

 

「ステファニー 死体と暮らす少女」:あらすじ

「昼でも暗い森の奥深くにある一軒家に、両親に置き去りにされた少女ステファニー。森に潜む”何か”の気配を感じながらも、瓶詰めの食糧で食いつなぎ、ぬいぐるみと話して、なんとか生き延びていた。そんなある日両親が戻ってくる。しかし、森に潜む”何か”の気配はより一層強くなってきて……」

ちょっと、ひねった「黙示録もの」ですね。一応「侵略者」「ウィルス感染」みたいな要素もあります(分かりにくいけどね)

ホラー映画にしては、画面がカラフルでポップな色合いなんだけど、それと「黙示録」要素のギャップが珍しい作品です。

「ステファニー 死体と暮らす少女」:感想/ネタバレ有

邦題でネタバレしていくスタイル。
そういうのは、ちょっといただけない。

作品のオチを全部言っているわけではないが、序盤のキーポイントだと思う

誰だ?、邦題考えた奴は(笑)

「なぜ私を置いていったの?」

物語は、幼い少女ステファニーシェリー・クルックス)が、森深くにある家でたった一人で生活している場面からスタートする。

一人だけど、ぬいぐるみをお友達に見立てて話しかける”ごっこ遊び”に興じ、食事も着替えも自分でこなす。身の回りの事は一人でこなせるが、観ていて非常に心配になる。

スムージーを作るためにミキサーを使うシーン。動きが止まったミキサーに手を突っ込むシーンなんて、もう本当に((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

( ゚Д゚)<本当に心配だよ!

と言いたくなるシーンがいっぱいある。

案の定、高い位置の食糧を取ろうとして、瓶詰めの容器を割る→ガラスの欠片を踏む、の下りは、映画の中だと分かっていても、とんでもなくいたたまれない気持ちになる

いったいこんな小さな子を一人にして、両親はどこに行ったのかヽ(`Д´)ノ

そうやって引き込まれていく。

テレビをつけたら、なんだか不安なニュース。

つまんないからお気に入りのアニメのDVD。

「見届けたかったんだ」
「勇気があるな」
「きっとうまくいく」

なんて、いかにも暗示的なシーン。おい、アニメキャラども、不吉な話はや・め・ろ!

そんな感じで、序盤はひたすら少女の生活風景が描かれます。割と、淡々と日常風景が描かれていくのだが、演じているシェリー・クロックスの演技が上手いので、退屈しないで観えます。

上記の「ミキサー」「ガラスの破片」のシーンもビックリ・ホラーシーンと言うよりも、「こんな小さな子を残して両親はどこに行ったんだ」という、視聴者の興味を惹かせるのと、映画の「なんだかよく分からない不安な雰囲気」を説明する役割を担っている。

「ガラスの破片」の下りは、本当に痛そう。

さらに、そんな何気ない日常の中に、横たわる恐ろしいシーン。

ベットに横たわる死んだお兄ちゃん。なんで死んでるの? 「怪物」の気配?

そういった謎が散りばめられています。

そして、両親が帰ってくるのだが、それと同時に怪物も活発になり……というのが、前半の内容。

帰ってきた両親はお兄ちゃんの死体を埋葬。インターネットで世界中の人と連絡を取りながら、なにやら調べている様子。さらに、世界が破滅的な事態に陥ってる、何者かの「侵略」を受けている様子が、テレビのニュースや過去の新聞で分かってくる。

そういった謎を、意味ありげに小出しにしてくる。サスペンス要素とホラー表現に関してはかなりベタといいますか、王道をやってます。

そして、遂に怪物がやって来る。

怯えるステファニーに両親は言う「怪物は、あなたなの」と。

 

果たして、ステファニーの運命は……とうのが、本作のだいたいの流れなんだけど、この「怪物」の正体がいまいち乗れないといいますか、なんだか頭に入ってこないのよね。

割かしクラシックスタイルのホラー表現と、ベタベタなサスペンス要素が、「怪物」の正体の下りにあんまりマッチしてない気がする。

その後の、SF的展開もね~…( 一一)

 

カラフルで美しい世界の終末

本作は「ホラー映画」にしては、かなり色鮮やかな色彩が目立つ。
「ホラー映画」と言えば、荒れ果てた建物や、暗くて陰惨な映像を思い浮かべるが、本作は明るい色、ポップと言っても差し支えない色使いがなされている。部屋の色とりどりの玩具たち、緑色の亀のぬいぐるみ、果物の瓶詰め、白ベースの綺麗な家、蛍光色の子供服……etc.

恐らくそれは、子供の目から見た「世界」がそれだけ輝いており、またそんな世界が実は凄まじい勢いで破壊されていることに対しての「ギャップ」を狙ったものだと、僕は解釈している。

また、そのポップな明るい色彩の食糧が、時に人間の“血”や“内臓”を連想させる画の取り方がされており、そういったキャッチナー色彩も使いようによっては、“恐怖”を演出する事が出来るのだと教えてくれる。

トマトピューレや、カボチャが飛び散っているだけで、こんなに禍々しい雰囲気が出るものなんですね。

また、音楽はピアノをベースとした、静かで綺麗な曲が使われており、それがまた本作の「お伽話」らしい雰囲気を醸成している。
さらに、その静けさが「音を立てると森の怪物がやって来る」という恐怖を演出しており、音の使い方は、ジャパニーズホラーに近いねっとりとしたものだ。

そういった一種の幻想的な音楽に加え、映画の中で繰り返される、アニメ・絵本の内容が、本作が「恐ろしくて綺麗なお伽話である」という事を示している。

そういった「お伽話」の雰囲気に浸れるかどうかが、本作の評価を決定すると思う。

この映画ネットで感想を見る限り、かなり評価が分かれている。確かに「怪物」と予告編でもパッケージ裏のあらすじでも触れているのに、「怪物」=ホラー要素が斜め上すぎるといいますか、なんだか上手く繋がってこないんですよね。そういったところが、賛否両論、むしろ「否」の方は多いという結果になっていまったのではないかな。

ただし、子役の子(シェリー・クロックス)の演技が上手い、「女の子が可愛い」という意見に限っては、ほぼ一致しているのには、笑った確かに上手いんだよ

自分の中でも賛否両論ある映画だけど、この子の演技はよかった。

万人受けする作品じゃないけど、ちょっと変わったホラー作品が観たい人にはお勧め

総評・感想まとめ

総評:☆☆☆☆☆☆ 6/10

雑多な感想

・一番怖いシーンは冒頭のスムージー製作シーン。 ・ガラスの破片のシーンも痛い
・映像が凄く綺麗。 ・明暗の使い方が秀逸。   ・音楽がいい。

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