【朗報】「ブレードランナー 2049」感想・レビュー  ~彼女が画面から出てきました~

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映画

本日紹介する作品は、カルト的人気を誇るSF作品の続編、「ブレードランナー 2049」です。

さて、一部でカルト的人気を誇るキャラクター”うどん屋の親父”の出番は……。

 

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「ブレードランナー 2049」:作品情報・キャスト・スタッフ

「ブレードランナー 2049」

製作年:2017年
製作国:アメリカ
上映時間:163分
原題:「BLADE RUNNER 2049」

PG-12作品

監督:ドゥニ・ヴィルヌーブ
製作:アンドリュー・A・コソーヴ/ブロデリック・ジョンソン
製作総指揮:リドリー・スコット
●脚本:ハンプトン・フィンチャー/マイケル・グリーン
原作:フィリップ・K・ディック・「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
出演:ライアン・ゴズリング/ハリソン・フォード/ロビン・ライト/ジャレッド・レトー/アナ・デ・アルマス/シルヴィア・フークス/カーラ・ジュリ/マッケンジー・デイヴィス/バーカッド・アブディ/エドワード・ジェイムス・オルモス……etc.

主役の捜査官“K”を演じているのは、「ドライブ」「オンリー・ゴッド」とうで知られる、ライアン・ゴズリング。
デッカード役は、ハリソン・フォードが続投。
ガフ(折り紙の人)も、エドワード・ジェイムス・オルモスが続投。

予告編

「ブレードランナー 2049」:あらすじ

「2049年地球の生態系は崩壊し、病気と貧困に覆われていた。人類は、人間と見分けがつかない人造人間”レプリカント”を製造し、奇妙な共生関係を築いていた。人間に害をなす”レプリカント”を狩る捜査官は”ブレードランナー”と呼ばれ、人類とレプリカントの境界線を守っていた。ロサンゼルス警察に所属するブレードランナーの”K”は、ある事件を捜査中にレプリカント製造会社であるウォレス社の陰謀を知ってしまう。”K”は捜査の結果事件の鍵を握る男の存在に辿り着くが……」

 

 

「ブレードランナー 2049」:感想/ネタバレ有

いや、長いよ!(直球)

「ついでに、また観客“置いてけぼり“で難しい話をやり始めたぞ」、というのが正直な感想。

「エイリアン・コヴェナント」の時にもそんな感想を抱いたが、そこんとこどうなの!、リドリー・スコット監督?
え!? 監督はドゥニ・ヴィルヌーブで、リドリーは、製作総指揮だって?

 いや、まぁリドリー御大は一枚噛んでいると言いますか、プロデュースはしているけれど、今回の監督は別の人です。
 監督はドゥニ・ヴィルヌーブ。「メッセージ」や「ボーダーライン」を撮ってる人。
名前からしてフランス人かと思ったが、フランス系カナダ人。

 これも、ステレオタイプな偏見かもしれないが、芸術の審美眼においては、フランス人の右にでる奴はいないのかも。

 あの、リドリー御大の画面の作りこみに全くひけをとらない感じ。
映像美が凄い!!

 何と言いますか、ハリウッドのエンタメ大作ではなくて、監督の芸術性を前面に押し出したアート色の強い作品であると感じた。

 この“アート性”というのが、曲者で、この感性が合わないと、163分間の地獄が待っている。個人的には、この監督の作り出す、「荒廃した近未来」像はかなり気に入っている。

しかし、もう少し、分かりやすいエンタメ要素があってもよかったかなー。

(どっちやねん!)

それにしても、まぁ、今の御時世に、監督の芸術性を前面に押し出した作品を作れたな。
近年の、エンタメに寄りすぎているハリウッド大作へ、のアンチテーゼなんだろうか?

うん、やりすぎだ(笑)

 熱心な信者と、よく訓練されたSFファン以外は、全くついていけない話をぶっこんできた印象。

 正直いい意味で予想の斜め上をいっている感じ。

それでも「ブレードランナー」感は、かなり濃厚にあったと思う。

圧倒的なディティールは健在

 ざっくりとして感想ですが「ブレードランナー」らしさはあったと思う。

 スモッグで覆われた荒涼とした大地、酸性雨が降り注ぐごちゃごちゃした猥雑な街、着物姿の女性が映し出される巨大スクリーンの横を、空を飛ぶ車が横切って行く…そういった独自の世界観は、今作でも見受けられる。
 むしろ漢字や日本語が出てくる頻度は、今作「ブレードランナー2049」の方が多い。

 あ、残念ながら「うどん屋の屋台の親父」は出て来ません。
 (重要なネタバレ)

「(一作目だけで)充分なんすよー。勘弁してくださいよー」
という、ことだろうか?そうなんだな、親父……。

 そういった、濃厚なSF的ディティールに目を奪われがちだが、中身は、けっこう真面目にハードボイルな探偵もの・刑事ものを、やっているのも相変わらずです。
 その中に「人間ってなに?」みたいな哲学的な問いかけが入っている感じです。
 
 今作ではその謎解きと哲学的なパートが、前作よりも難しくなっていたような印象を受けました。
さらに前作では《アンドロイド》がロボットに近い感じで描かれていたが、今作では人間に近い《生命体》として描かれている違いがあったと思う。
 そういった《人間に近い異なる者》と人間を対比することによって「人間って何?」というテーマを描いていた。
 その辺の話が前作よりも難しいうえに、163分の長丁場です。正直、SF映画ファン以外には、あんまりお勧めしませんが、逆にSF映画ファンは必見です。

 画面を細かいSF的なディティールで、びっしりと埋めて尽くしてくれている。
リドリー御大はプロデュースで監督は違うと聞き、ちょっと心配していたのですが、ディティール的には、全くそん色ない出来に仕上がっていますよー。
この辺りは、期待以上の出来だった。

あと、謎のSONY押し(笑)  いや、まぁ、スポンサーなんだから、当たり前なんだけどね。あと漢字押し。
(関係ないけど、SONYさん、「ポポロクロイス」の版権ってどうなったんすかね?)
 この10年ばかりの我が祖国の体たらくを見るに、この2049年まで日本のモノ作りが、残っているのか正直疑問。
 うん、核戦争後の生態系が崩壊した世界で、今と同じ枠組みで国家が定義出来るかどうかの方が、疑問だからそこんとどうでもいい。
(いや、よくないなぁ…)

 

ジョイは俺の嫁

 「木をみて森をみず」な細部にこだわった話ですが、この作品を一言でいえば、
イケメンがヴァーチャル嫁にはまるお話ですよね。(違います)

 いや、映画を観ながら
「ついに嫁が、ブラウン管から出てくるようになったか…」
なんて、感慨にふけっていたわけなんですよ。

 そういえば原作の「電気羊はアンドロイドの夢をみるか」で「外宇宙に進出する人には一人につき一体のアンドロイドが無償で提供される」みたいな設定があったはず。
 「人間に人工的なコンパニオンができる」そんな世界を描いている。

 そういった「人ならざるもの」との恋愛・心の交流を、ここまで濃密に描いた作品も珍しい、いや、初めてかもしれない。

それにしても、これは、どういったテクノロジーなのですかね?
 ホログラムと人工知能を組み合わせているのは、なんとなく理解できるが、あのウォレス社の製品って、どういう仕組みなのですかね?
 劇中、小さな機械を作動させた途端に、ホログラムとユーザーが触れ合えるようになるんです。
 ホログラムの方に、何らかのセンサーを加えて、人工知能の方に疑似的な感覚器官を付与しているんですかね?
 仮にそうだとしても、ユーザーの方の感覚器官、と言いますか、脳にも何らかの手を加えないと触れ合えないような…?
いや、なんか透けていたしその辺どうなっているのだろう?

 まさか!なりきりプレイか!

 レベルの高い変態プレイを、ユーザーに要求するって、そこんとこどうなの?ウォレス社!

 変態性が高ければ高いほど、後で思い返して死にたくなる気分が大きくなると、分かり切っているのに…ウォレス社…恐ろしい子…。

 失礼、つい取り乱してしまいました。

 こういった”機械仕掛けのコンパニオン”もしくは”人工知能の相棒”なんてのはSFでは、使い古されたネタだけど、最近そういった情報技術産業部門に限った話をすれば、現実がSFに追いついてしまった気もする。
 Googleや、iPhoneに搭載されているsiri、AmazonやYoutubeにあるようなリコメンド機能を、発展させていけば、あと数年でコンパニオンAIができてしまうのでは?
 しばらくはハードや著作権の問題があるだろうが、テクノロジーの進歩によって突破するだろう。
 それに異性的な属性を付与するかどうかは別問題だが、多分その辺は日本人がなんとかすると思う(笑)
 いや、あんまり(笑)とか、言っていられない事態になりそう気がしますが……(笑)

 オ〇エント工業とイ〇ュージョンが、外資に狙われる日もそんなに遠くないな…。
(アホかっ!)

 ジョイ役の人は、日本人受けしそうな顔で、可愛いですよー(。・ω・)ノ゙

 

考察:最近のSF・人間って何?

個人的な話で申し訳ないが、最近観たSF映画がどれも「人間って何?」みたいなお話をやっていた。
「エイリアン・コヴェナント」「猿の惑星:聖戦記」そして「ブレードランナー2049」
どの作品も製作・公開は2017年だが、実は大昔の作品の続編・焼き直しである。

現実の技術が、SFに追いつき追い越されてしまった現在。そういった時代において、改めて「人間とは何か?」という根源的な問いかけに対する答えを、僕らは必要としているのか?

そういう「問い」に対して、上にあげたようなSFの古典を引っ張り出し、現代の風を吹き込んでリメイクしてみるのも、いい道しるべなのかもしれない。

 

というわけで、画面から嫁が出てくる技術please!

 

総評・感想まとめ

総評:☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 9/10

【よかったところ】
●画面を埋め尽くす凄まじいディティール。
●「ブレードランナー」の世界観を今の技術で再現。

【悪かったところ】
●やや、難解で一度観ただけでは、理解出来ないことも多い。
●163分の長さは、テンポが悪く感じる。
●人気キャラ「うどん屋の親父」は出てこない。

 

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その他のリドリー・スコット監督はこちら

「エイリアン・コヴェナント」

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