今回紹介する作品は「13日の金曜日」です。
記事タイトルで容赦なくネタバレしていくスタイルですが、40年近く前の作品なんで、許してね。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「13日の金曜日」
・製作年:1980年
・製作国:アメリカ
・上映時間:117分
・原題:「FRIDAY THE 13TH」
・監督:ショーン・S・カニンガム
・製作:ロバート・シェイ/ショーン・S・カニンガム ・音楽:ハリー・マンフレディーニ
・出演:ベッツィ・パルマ―/エイドリアン・キング/ハリー・クロスビー/マーク・ネルソン/ケヴィン・ベーコン/ローリー・パトラム……etc.
※本作のヒロイン・アリスを演じたエイドリアン・キングは、本作のヒットが原因で狂信的なストーカーに狙われはじめ、それが原因で女優を引退する。
※ケヴィン・ベーコンは本作のリブート作である「13日の金曜日-FRIDAY THE 13TH-」(2009年)にも出ている。
個人的な感想なんだか、だいたい殺されるてるイメージがある。
予告編
「13日の金曜日」:あらすじ
全ての恐怖には始まりがある・・・。ようこそクリスタル・レイクへ。ここは忌まわしい過去をもつ、呪われたキャンプ場。ロマンチックな満月の夜、愛欲に溺れるキャンプ指導員を1人また1人と血祭りに上げていくのなら、狂った殺人鬼にとってこれ以上の舞台はない……
~Amazon商品紹介から抜粋~
この手の映画のテンプレである「浮かれた若者が、人里離れた土地で悪意のある存在に襲われて、一人また一人と犠牲になっていく」に忠実な作品。
後の「ホッケーマスクを被った大男の殺人鬼」として大人気となるジェイソン。シリ―ズ一作目となるのがこの作品です。
「13日の金曜日」:感想/ネタバレ有
記念すべきシリーズ第一作目。後の作品に比べるとスプラッタなシーンは少なく、グロもほとんどない。エログロのスプラッタ作品というよりは、サスペンス色が濃い作品である。
あのシリーズ特有の「キキキキママママ」の効果音は本作で既に見受けられる。
シリーズ一作目の本作には、”殺人鬼ジェイソン”は出てこない。
じゃあ、誰が犯人かと言うと……。
犯人はかーちゃん:通常攻撃が刃物で神出鬼没なお母さんは好きですか?
記事のサブタイトルでネタバレしているが、本作では”ジェイソン・ボーヒーズ”は出てこない。
犯人は、いちゃついていた監視員のせいで、子供(ジェイソン)を亡くした、ジェイソンのカーちゃん(パメラ・ボーヒーズ)である。
J( ‘ー`)し
僕らが知ってる、”殺人鬼ジェイソン”が出てくるのは、シリーズ二作目からです。ついでに、2作目では、まだホッケーマスクを被っておらず、なんか袋を被ってます。
「ホッケーマスクの大男の殺人鬼ジェイソン」が登場するのは、実質シリーズ三作目からです。
ところで話は少しそれるが、世間(の一部)ではどうやら「お母さん」ブームが来ているようだ。つまり、この作品はかれこれ40年以上前にブームを、先取りしているとも言える。
河合隼雄先生が生きていたら、なんか言ったと思う(錯乱)
……大喜利のネタとしては秀逸だと思う。
しかし、ここ10数年間のヒロインの属性を見るに、
・妹萌え→庇護欲を掻き立てられる年下に慕われたい。
・姉萌え→年上の女性に甘えたい
・お母さん萌え→ママに全面的に肯定してもらいたい。
……なんだか、「マズローの五段階欲求」を1段階づつ降りて行ってるような気がする。
オタクカルチャーが、世間に認められる反面、不景気・労働条件の悪化、さらにはここ10年くらいでやたらとマウントを取られる文化が形成されていった。
その結果、自尊心がボロボロな人が増えてしまったのだろう。
そんな背景を考えると、ここにきて「お母さんブーム」が来ているのは、納得がいく。
さて、本作は「我が子のためなら、他人の子を喰らう」、鬼子母神的な”お母さん”が大活躍する映画である。このかーちゃんの神出鬼没っぷりを楽しんでもらいたい。
J( ‘ー`)し
意外と地味な作品&良識的な被害者。
「13日の金曜日」シリーズの記念すべき第一作目。
一作目では“殺人鬼ジェイソン”は出てこない。
「じゃあ、犯人は誰?」
記事のあおりにも書いたが、ジェイソンのママである。
映画の後半に、いきなり出てくるから、ちょっと面食らう。
(なんか伏線とか、前フリあったかな?)
また、「13日の金曜日」というと、スプラッタ映画の金字塔というイメージが強いが、一作目は、サスペンスドラマの要素が強く、血しぶきも少ない。
犠牲者の若者たちも、確かに浮かれているが、基本的に善良で常識的な人物たちである。
この手の「人里離れた場所に遊びに来た若者たちが、殺人鬼(怪物)に襲われて、一人また一人と殺されていく」プロットの作品に、出てくる奴らは大抵バカと相場が決まっている。
下種&非常識な行動で視聴者のヘイトを稼ぐため、観ていて「ざま―、見ろ!」としか思われない事がほとんど。
↑そういった事を視聴者も望んでいる場合が、多々ある。
そのため、善良な若者たちが殺されていくのは、観ていて理不尽に感じた。B級ホラーで殺される若者は「ドラッグ、SEX,ロックンロール(大騒ぎ)」=「バカ」のイメージがあるから、本家本元の本作が、真面目な若者が犠牲者で、意外な気分。
クライマックスで襲い来るパメラから逃げ惑うヒロイン。その際に何回かパメラを気絶させて行動不能にするんだけど、そのまま逃げるだけなんで、何回でも襲われるんだよね。
ラストでやっと反撃に出る。
ホラー映画を、観なれているこっちとしては「いや、倒したらとどめをさせばいいのに」と思っちゃうけど、本来「殺人」というのは、それぐらいのタブーであって、一般の人はそれくらい抵抗がある=それを、易々とやってしまうジェイソンのかーちゃん・パメラは狂っている、ということなんじゃないかな。
ちなみに、このパメラもかなり神出鬼没で、その能力は、息子のジェイソンにも受け継がれている(笑)
あ、何回かフィギュア化されているよ。
J( ‘ー`)し
「悪魔のいけにえ」もそうだが、ホラーの名作を、今鑑賞すると、殺害描写のあっさり具合、&登場人物の普通さにビックリする。それと同時に、あっさりし過ぎて少し物足りなく感じる。
有名な作品って、意外と観てない場合があるから、興味がる人はこの機会に観てみよう。
古い作品に関しては、レンタル屋を巡って探さなくても、動画サイトで観られる、いい時代になったと思う。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡♡♡ 7/10
●キャラクター………〇
・意外と善良な若者が多い。
・↑だから命を落とすとも言える。
●ストーリー………◎
・この手の作品の王道。
・のちの作品に与えた影響は半端ない。
●カメラ・演出とう………○
・対象を追っかけるようなカメラワーク。
・「キキキキ・ママママ」は是非一度聞いて欲しい。
●怪物……○
・恐ろしいだけではなく、何とも言えない哀れさがある。
・変なスイッチが入って、豹変した顔が怖い。
●その他・印象に残ったところ
・かーちゃんも神出鬼没。
・かーちゃんもマチェット使い。
・やっぱりいつものケヴィン・ベーコンだった。
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