さて、話題のサメ映画「メグ・ザ・モンスター」がテレビで放送され、ニッチな分野である”サメ映画”が市民権を得たのは、ファンとしては嬉しい事です。時々、何をとち狂ったのか気合と予算をかけた作品が作られるが、ほとんどは低予算のバカ映画である。
そんな訳で今回紹介する作品は「ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲」です。
「サメ映画って、こういうのなんでしょ…」という意見も聞こえてきそうですが、これは極端に酷い例だからな!
本当に酷かったからな!
作品情報・スタッフ・キャスト
「ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲」
・製作年:2017年
・製作国:アメリカ
・上映時間:80分
・原題:「Land Shark」
・監督:マーク・ポロニア
・出演:サラ・フレンチ/ピーター・バルド/キャスリーン・スー・ヤング/エリッサ・ドーリング/ジェームズ・カロラス/オースティン・ドラゴビッチ……。
予告編
「陸・海・喰」と煽りのセンスだけはある。
どうでもいいが、予告編が無駄にバリエーション豊かである。興味のある人は、Youtubeで探してみて欲しい。
「ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲」:あらすじ
『フランケンジョーズ』のマーク・ポロニア監督が描くパニックムービー。カリフォルニア沿岸で謎の変死事故が多発する。遺体は鋭い歯で喰いちぎられていた。同じ頃、海洋研究所の水槽からサメたちが消えたことに気付いた職員のルシンダは、研究所で殺人ザメが開発されていたことを知り同僚と一緒に捜索に乗り出すが……。
一応ストーリーはあるが、例のごとく、物凄く下手くそなんで、あんまり気にしなくていい。がんの特効薬研究のために、遺伝子操作されたサメが脱走して人を襲う。途中で、「実は生物兵器に転用するためでした」となるが、本編に全く絡んでこないと言いますか、話の面白さには一切関係ないんで、忘れていい。
どうでもいいけどさ、この手の映画で毎回毎回「生物兵器」なんて素敵ワードが出てくるが、実際のところ、人喰いモンスターってどうなんでしょうかね?
(どうなんでしょうね?、と聞かれても困るわっ!)
軍用犬でいいんじゃない?
オフの日は撫でて遊べるし、ドーベルマンとか、シェパードでいいんじゃない? イケメン面だし。
制御可能だし、なんだったら訓練のノウハウ活かして、犬の躾の本出せるし、平和利用可能じゃん。
もう、犬でいいよ。
小型犬が走ってきたら、遊びたくなるじゃん。戦意を喪失させる方向でやってたら、平和にならんかな。
「ランドシャーク/丘ジョーズの逆襲」:感想/ネタバレ有
本作は、なんか微妙な水着のねーちゃん(すまん、失礼だな。けど微妙なねーちゃんなんだよ)が、浜辺を歩いているシーンから始まる。相変わらず、カット割りだとかアングルだとか、光の反射だとか、効果音なんて一切気にしない、ホームビデオ映像を垂れ流しており、この時点で嫌な予感しかしない。
(つーか、今どきスマホのカメラだって、これより画質いいはずだぜ?)
「ああ、僕はマーク・ポロニア映画を観ているんだな」という、奇妙な感慨がなくもないが、恐らく90パーセントの人はここで観るのをやめるか、スマホをいじりだすと思う。
オープニングのねーちゃんが、「雑」に喰われたあと、いつもの通りこれまた適当な研究室が映し出される。そこから「サメを使ってガンの特効薬を研究していたら、ヤバいもんが誕生した」なんて、どこかでみた設定が出てくるが、なんでサメが陸を動き回るのかは、サッパリ説明しない。
いつものことなんだけど、「他のモンスター映画で見たことある」場面を、物凄くデットコピーして見せられる。そういった”雰囲気”だけで、押し切ってくるのだが、相変わらず酷い。
映画の感想を書くのが趣味なんだから、どういった場面がどう酷かったか、できるだけ言語化して、伝えるべきなんだろうが、すまない。物事には限度というものがあるんだ。
相変わらず酷い。いや、酷いを通り越して、なんでこんなものが、市場に流通しているのか理解に苦しむ。
とあるB級映画愛好家がマーク・ポロニア映画を指して「定年退職した父親が、カメラにはまったらしく、それを微笑ましく見ていてら、なんの間違いか、それが市場に流通してしまった」ような作品、評していたが(※細部は違うが、だいたいこんな感じの文章だったと思う)、やっぱりこの監督の作品は、市場に流通してはいけないものだと思う。
どういったわけか、一部の人達の間で話題になってしまい、メディアも何をとち狂ったか、小さく取り上げるようになってしまい、その結果、田舎のレンタル屋に、まとまった数が仕入られる事態が発生している。
ちなみに、管理人の行きつけの店は3本仕入れていた。
誰だ?3本も仕入れる決断をした奴は……。仕入れ担当者は、配給会社の営業に弱みでも握られているのか?
リリース開始日に、レンタルした我が身を棚に上げて言うけど、誰が借りているんだ?
なんだかんだとストレスフルな世の中になってしまいましたが、こういったよくわかんない作品も、どういった訳か、市場に商品として流通する程度にはいい加減温かいので、まぁ、あんまし細かい事でイライラしちゃいかんよ、というメッセージなんじゃないでしょうかね?
こんな作品に対して、メモ取りながら真剣に観てたんだけど、いや、なんか言葉にならんよ。お盆前のドタバタしているのに何やってんだか、俺は……。自分でも特殊な訓練を受けている方だという自覚はあるが、それでも3回ぐらいウトウトしちゃったもん。
いや、むしろ寝てた方がいいんじゃいか?
観賞はお勧めしません。「どうしても見たい!」なんて奇特な方は、マーク・ポロニア作品は、Amazonプライムビデオの無料枠の常連なんで、そっちに期待しましょう。
一年くらい経ったら、落ちてくるんじゃないかな?
総評・感想まとめ
総評:★★★★ 4/10(ヒトデを4匹ほど投げつけたい気分になった)
●キャラクター………✖
・相変わらずテンプレ通りなんだが、全く描き分ける気もキャラクターを肉付けする気もない。
・役者が演技する気があるのか、怪しい。
●ストーリー………✖
・どこかで見たようなストーリーだが、途中から順調に破綻していくので、とりあえず忘れていい。
・尺に困ったら、適当な人物を補充して喰わせる展開。
●カメラ・演出とう………✖
・実質ホームビデオなんで、カメラアングルとか編集とか求めるのはナンセンスなのかもしれない。
・字幕を某サメ映画レビュアーさんが手掛けているらしい。そこだけ笑った。
●怪物……✖
・「ガンの特効薬の研究と見せかけて、実は生物兵器の研究だった」という設定。設定は忘れていい
・↑よく分からん理屈で、陸上行動可。ストップモーションアニメだと思うが、相変わらず合成が酷い。
その他・印象に残ったところ
・マーク・ポロニア映画常連の「ハゲでピアスの人」がいない。もしかして生えてた?
・唐突に出てくるレーザーガン。陸サメよりもこっちにツッコミたい。発射音が素敵。
・発信機のモニターが、どう見たってラジコンのジャンクパーツです。絶対映らないだろ!それ!
●ご購入はこちら↓
コメント