砂浜を泳ぐサメ!「ビーチ・シャーク」感想  ~崩壊していくサメの概念~

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サメの話しようぜ!

今回紹介する作品は「ビーチ・シャーク」です。

原題は「SAND SHARKS」。名前の通り「砂浜の中を泳ぐ鮫が襲ってくる」映画である。

もう、どこから突っ込んでいいのか分かんないや。

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作品情報・スタッフ・キャスト

ビーチ・シャーク
製作年:2011年  
製作国:アメリカ  
上映時間:87分 
原題:「SAND SHARKS」

監督:マーク・アトキンス
製作:ダナ・デュボフスキー
出演:コリン・ネメック/ブルック・ホーガン/エリック・スコット・ウッズ/ジーナ・ホールデン/ヴァネッサ・リー・エヴィガン……etc.

予告編

「ビーチ・シャーク」:あらすじ

「静かな島ホワイトサンド。この静かな島で人知れず惨劇の幕が明ける。地元の若者が何者かに喰いちぎられた無残な姿で発見された。兄妹で保安官をしているジョンとブレンダはサメの仕業と疑いを持つが遺体は水辺から離れた場所にあり、砂浜に血の跡が残されていた。そんな中、市長の不良息子であるジミーがホワイトサンドの街に戻ってくる。ジミーは街を活気づけるために(同時にギャングに借金を返すために)大規模なパーティー”サンドマンフェス”を開催しよう計画していた。ジミーは元カノであり現在は保安官になったブレンダに再開する。ジョンとブレンダはビーチを閉鎖しようと考える。次々と犠牲者が出る中ブレンダは、科学者のサンディに連絡をとる。感電死していたサメを調査した結果まだ幼体だということが発覚して……」

感想/ネタバレ有

”美女にライバルがバラを10本贈ったら、君は15本贈るかい?

そう思った時点で君の負けだ”

~スティーブ・ジョブスの発言集より抜粋~

この映画を作った監督が、スティーブ・ジョブスの言葉に感化されたのかは知らないが、ここ数年のバカなサメ映画の方向性の多様化は目を見張るものがありまして、他のサメ映画との差別化はかなり難しいわけです

頭が二つあったり、雪の中泳いだり、タコの触手が生えたり、幽霊になって襲ってきたりと、

順調に壊れている。視聴する方も、『そもそも何をもって”サメ”と定義されるのか?』とサメに対する見方がだんだんと分からなくなっているわけです。

「なんかこう三角形なヘッドラインにスッとのびた背びれ、流線型のボディラインで人を襲えばサメなんじゃね?」

そんな風にパッと頭に浮かんだのだが、手足が生えてたり、頭までタコみたいなデザインの奴もいまして……うん、サメってなんだっけ?

ゾンビウィルス持ってたり、ロボットだったり、ピラニアど合体していても大丈夫だっただろうか?

これ以上この問題について考えると
俺、何にでも噛みつくし泳ぎは得意だしもしかしたら、鮫なのかもしれない…」、とブログ主は言い出しかねないので、いつものようにネタバレしつつ、映画の感想に移りたいと思う。

「……実は俺、鮫だったんだよ!」

「ビーチ・シャーク」はこんなお話

 まず『ビーチシャーク』の大雑把な内容を説明します。なぜか砂の中を自由自在に泳ぎ回るサメが襲ってくる映画。それ+ジミーとブレンダのロマンス…と言いますか、ビリーの女癖の悪さを全面的に押し出したと言いますか、なぜ女の人はダメなイケメンが好きなの(。´・ω・)?、という問いが頭の中に浮かんでグルグルと回る映画です。

 まぁストーリーはあってないようなもんですがざざっと追ってみよう。
冒頭、ビーチでバイクを走らせていた若者が喰われる。

 保安官のジョンとブレンダの兄妹が事件現場を調べる。
サメの仕業を疑うが、遺体は水辺から離れていたし、砂浜に血痕がある。
遺体にサメの歯みたいなのが残されている。

 勘当されていた市長のバカ息子がホワイトサンドの街に戻ってくる。
このバカ息子が昔やらかした何かが原因で、ジョンの妻をはじめ街の人が何人かサメの犠牲になっているらしい。ついでにこのバカ息子怖い人たちに借金があり、ケツに火が着いた状態みたいだ。街の活性化と借金返済の為にでっかいパーティーを計画している。
 さてここで登場する、ジミーのお仲間の弁護士のアマンダ。胸元をバイーンと開けた美人弁護士……人喰いモンスター以上に男の妄想の産物だと思う。ビリーとアマンダは下見のために、ジョンとアマンダと一緒にビーチを訪れる。その目の前でカップルが砂浜の中から現われたサメに喰われる。

ジョン:「こりゃ、てぇへんだ!ビーチは封鎖せにゃならん!パーティーは中止だ!」
ジミー:「色々準備したのがパーになるだろ!そうだ、サメ退治した奴には賞金だすぜ!」
アンガス:「俺がやろう」
アマンダ:「専門家の科学者を呼ぼう」
サンディ:「よろしく」

 このサンディもやたらと肉感的なボディの持ち主の科学者で、人喰いモンスター以上に男の妄想の産物②
もう一人のここで登場するじんぶつのアンガス。役割的に『ジョーズ』のクイントのポジション。(※クイント=サメ退治の中心的人物の荒くれ漁師)

 失敗して何人か犠牲になる。ジミーが怪しい友人を召喚し、サメの死体を用意してごまかそうとする。サンディが見破る。ある晩にサメが地中の電気ケーブルを切断する。ここで意外とまともだった町長、喰われる。ついでにジミーの怪しい友人も、ケーブルを修理した瞬間に喰われる。ジミーの友人ごとケーブルに噛みついたサメが一匹黒焦げになる。

 問題のサメもやっつけたことだし、気を取り直してパーティーを開催しようとするジミー一味。サメの死体を調べていたサンディ、このサメがまだ子供だということに気づく。サンディは他にもまだサメがいる、ついでに”母鮫”もいるはずだとジミーに警告するが、ジミーは知らんぷり。

 パーティー開催。
案の定襲ってくるサメの群れ。

 漢アンガス、通販で仕入れた材料で火炎放射器を自作する。
(※炎で砂をガラス化してサメを閉じ込めるらしい)
犠牲者がたくさん出る&サメ退治する。
改心したジミー、囮になってサメに喰われる。
ラスボスでデッカイ母鮫登場&アンガス死ぬ。てきとーな感じで母鮫も退治される。

~END~

 だいたいこんな感じ。所々で、ジミーが女性陣に適当な口説き文句を投げかけ、女性陣もまんざらでもないシーンが出てくるくらい。ブレンダも喰われてしまい、その後ジミーも改心するも喰われる。ついでにジミーに関わった人は全員喰われる。わかりやすい疫病神キャラだが、なんだか憎めないかんじがするキャラです。

砂の中を泳ぐサメ

次はビーチシャーク(劇中ではサンドシャーク呼ばわり)について触れたい。
 「サメが砂の中を泳ぎ回って襲ってくる」
 アイデアとしては面白いが、蓋を開けてみればほとんど『トレマーズ』に出てくる怪物”グラボイス”とキャラクターがまる被りでちょっとがっかり。水陸両用モンスターなのだが、砂場で襲ってくるシーンが多すぎる気がする。
それだと”巨大な芋虫”が”サメ”に置き換わってるだけで、あまり怪物映画としては新しさがないのでは?そんな風に感じてしまい残念(;´Д`)
 もう少し水から襲ってくるシーン、水陸両用のモンスター設定を生かして欲しかった。
しかしそれでも撮り方によっては、今度は”ワニ”と被ってしまうのではないだろうか?
怪物の設定は面白いのだが、料理の仕方がたいへん難しいキャラクターだと思う。

監督・キャスト等について。

 まず監督:マーク・アトキンス。DVDに収められている特典映像によると、監督のマーク・アトキンス氏はこの映画の製作動機を、「サンドシャークの生態を広め、奴らの危険さを世界中の人々に知らせるためだ」みたいなことを述べている。
 それも”善良な一市民、マーク・アトキンス”とご丁寧にテロップまで入る。
……マジかよΣ(´д`;)
 海に行くときは気をつけねば……まぁインドア派だから、部屋から出ないけどね。冗談はさて置きそういったノリは嫌いじゃない。ジョーズや有名サメ映画のパロディをたくさん入れてくるあたり、完全に同好の志とお見受けする。

「ロジャー・コーマンの映画って観ない?」

上記の台詞を美人に言わせただけでも、この映画を撮った価値はあると思います。

 

次にジミー役:コリン・ネメック。

今回は軽薄なダメ男のジミーを演じている。
どこかで見た顔だと思ったら、『ロスト・ワールド2013』、『キラー・ビー2013』、『フィアー・フロム・デプス』、『キラー・モスキート吸血蚊人間』、『ロボクロコ』等、B級映画によく出てる人。だいたいいつもダメンズやってるイメージがある。

アイデアのカオスぶりは評価したい。出来れば砂の中を泳ぐサメを、既存のモンスターとの差別化を図ってくれたら、なおよかったと思う。

暗闇の中から襲ってくる怪物ではなく、『トレマーズ』的な明るい所で襲ってくる怪物を出す場合は、ストーリー的にあっけらかんとした明るさがよく似合う。

町長やジミーがこの手の映画のテンプレ的な下衆キャラにしなかったあたり、監督はこの映画に必要なことをよく分かってると思う。

総評・感想まとめ

総評:♡♡♡♡♡ 5/10
キャラクター………〇
・コリン・ネメック演じるジミーが良かった。

ストーリー………△
・ほぼ「ジョーズ」のパロディである。
・全体的に悪ノリが激しい。

怪物……〇
・アイデアは面白いと思う……と、のんきに言っていていいのだろうか?
・見せ方は、思ったよりもインパクトがない。

雑多な感想
・意外とインパクトにかけるビーチ・シャーク
・ビーチ・シャークの出オチっぷり。  
・サメ映画のパロディ多数。  ・マーク・アトキンス監督らしく予算の使い方がピーキー。

 

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