今回は、最近何かと話題の竹書房プレゼンツの作品をご紹介しよう。
竹書房は、サメ映画の配給会社としてもなかなかの実績があるのだ。
そんな訳で今回紹介する作品はこれ↓
目次
キャスト・スタッフ・データー
製作年:2017年 製作国:アメリカ
上映時間:84分 原題:「TRAILER PARK SHARK」/「SHARK SHOCK」
監督:グリフ・ファースト、『シン・ジョーズ』『新アリゲーター~新種襲来~』『ゴースト・シャーク』
出演:タラ・リード/トーマス・イアン・リード/クリント・ジェイムズ
備考:ロケーションはグリフ・ファースト監督作品で、すっかりお馴染みの「例の沼」である。
「シャーク・ショック」:あらすじ
悪徳不動産のオーナーであるデコナーは、賃貸料を支払わないで居座る住民達を排除する計画を思いつく。手下にダムを爆破させてトレーラーハウス群を一網打尽にするが、手下は姿を目撃され、あろうことかカメラに姿を収められてしまう。
さららに一匹のサメが濁流に迷い込み……。
※以下ネタバレ注意↓
予告編
「シャーク・ショック」感想/ネタバレ有
さて本作の監督は、あのグリフ・ファースト。
『ゴースト・シャーク』だの、『新アリゲーター~新種襲来~』だの、設定がぶっ飛んだモンパニばっかり撮っている、モンパニ界の飛び道具。
(↑サメの幽霊が襲ってくる映画)
(↑ワニを食べたらワニになる映画)
(↑放射能火炎を吐くサメ映画)
(↑一応普通のサメ映画も撮っていた時期もある)
電気サメ襲来!
本作では電気ショックを操るサメが襲ってくる。
サメとエイ。どちらも軟骨魚類である。ついでにエイの中には、電気ショックで獲物を獲る種が実際にいる。
↓
シビレエイ目 Wikipedia
サメガイドブック 世界のサメ・エイ図鑑 [ アンドレア・フェッラーリ ]
よって、エイ=サメ シビレエイ=電気を操るサメ
=実際にいてもおかしくない。
、が成り立つ。
「あれ?今回意外とありそうな設定じゃね?」
、と思ってしまうのは、「サメの幽霊が襲って来る」、「ワニを食べたらワニになる」、「炎を吐くサメ」等々、監督の過去の作品群が狂った設定のためだろう。
なんだかすっかり調教済みになってしまった気がするが、今作はそういった意味ではおとなしい設定だと思う。
さて、本作では川沿いの土地に賃料も支払わずに居座った人々が、電気サメの犠牲になる。
その土地の持ち主である金貸しが、居座った人々にブチ切れてダムを爆破し、居住区を水没させる。
そこにどういった訳だか、サメが迷い込んでくる。
監督の過去作品の『フライング・ジョーズ』では、本来ならサメの生息しない沼地に密輸されたホオジロザメが放たれる設定だったが、本作ではそもそもなんでサメがいるのかは一切説明しない。
なんだか、作品を撮るごとに設定がいい加減になっている気がしないでもないが、
「サメ映画にサメが出て来るどこに説明がいるんだい?」
と、問われたら我々視聴者は黙るしかない。
(まぁ、そうなんだけどさー、そういう問題じゃねーんだよ)
前置きはこの辺にして、電気サメなんていうとち狂った存在が、どうやって誕生したか見ていこう。
増水した川にサメが出て来る。何故かは気にするな。とにかく川にサメがいるんだ。
出て来て早々、そのサメが『ジョーズ2』的に電気ケーブルをくわえさせられる。
そこでいったんは撃退されるが、その後なぜか電気ショックを操れるようになって復活。
監督の過去作品では一応、
「川に流された密造酒の失敗作が原因」=飛び道具持ちのワニ誕生。
「古代から伝わる呪われた土地のせい」=サメの悪霊が誕生。
の様に申し訳程度には怪物が誕生した理由が視聴者に説明されていた。
しかし、今作では何故、川にサメがいるのか?何故、サメが電気ショックを操れるのか一切説明する気がない。
………やっぱり、作品を撮るごとに設定が、いい加減になっていってる気がするぞ!
その後、さも当然の様に電気ショックを使いこなすサメVS人間となる。
さらに、証拠隠滅の為に住人を皆殺しにしようと企む金持ちと、その手下も襲ってきて
「もう、大変!」
、な展開になる。
↓
なんやかんやあって、サメが爆発して終了。
悪いやつらも全員死んでめでたしめでたしとなる。
サメが爆発する下りがイマイチ納得いかないが、
この監督過去に「サメの幽霊」も爆発させているので、あんまり深く考てはいけない。
キラークイーンもビックリな爆破職人ぶりである。
もう、
サメ=爆発物
、と考えちゃっていいんじゃないかな?
妙にシュールな画の数々
管理人は以前からこの監督を「50点満点中で35点の映画を撮る人」と評しているが、それというもの、設定がおいしい割にはイマイチ生かせずに終わることが多からだ。
プロデューサーも同じ意見だったかはともかくとして、今作では明らかに予算が少なくなっている。
CGの質なんかは、明らかに過去作品群と比べてチャチになっている。
その結果妙にシュールと言いますか、観ようによっては牧羊的なほのぼのとした画とな
っている。
グリフ・ファースト監督の作品は、毎回コミカルなシーンがあるが、本作ではその傾向が強い
次に俳優陣をみてみよう。
出演している俳優陣は、B級映画でよく見る面々が揃っている。
その点では、B級映画ファンは満足出来ると思う。
さらに、舞台となっている場所は、グリフ・ファースト監督の過去作品で毎回使われている沼地です。
サメが襲ってくるシーン全般とストーリーは、いつもの通りに全て中身があってないようなもん。
とにかくいい加減で緩い作品なんだが、詳しくは実際に観賞して欲しい。
観ていて気になったのは、緊張感の無さだ。
この監督の作品は、ロジャー・コーマン監督と同じ様に、脈絡なく場面が変わってそこら中で犠牲者が出るタイプの物だ。
景気よく犠牲者が出る様は観ていて楽しいが、同時に焦点があってないピンボケの作品になりやすい。
バカ映画にこんな事を言うのは酷かもしれないが、観ていて妙にツギハギだらけの映像を、無理矢理観せられている感じが強い。
それがチャチなCGと合わさって、全体的に非常に残念な物が出来上がってしまった。
今回も設定の荒唐無稽さがあんまり生かされていない、消化不良な作品で残念だ。
サメ映画好きは、是非ともチェックして欲しいが、旧作になってからでいいとかと思う。
下の中といった出来で、辛うじてB級エリアに入っている作品だ。
オチは安定の爆破オチ。
正直なんで爆発するのかイマイチよう分かんないけど、サメは爆発するものである。
金持ちの悪い奴は、追い出す手段に問題があったと思う。
ただし、そもそも賃料も支払わずに居座ってる主人公サイドも大概なんで、どっちにも共感出来ない。
どっちにも共感出来ない分、サメに喰われるのを安心して観ていられる(笑)
家賃払わないどころか、風力発電装置の風車から勝手に電力を頂こうとするのは、どう考えても主人公サイドが悪くないか?
【感想まとめ】
●総評:E
●キャラクター………〇、キャラは立っている。B級モンパニでお馴染みのキャストが雁首揃えて出てくる。
●ストーリー…………△、あってないようなもん。序盤の時間が巻き戻る演出は面白かった。
●カメラ………………△、構図、綺麗さはいつものB級クオリティ。この手の映画はこれぐらいで問題なし。
●怪物…………………△、今回は予算が貰えなかったのか、過去作よりもCGが酷い。サメの大きさと動きはシーンによって全然違う。
●サメが電気を放つ下りは一切説明しない。
●CGはショボい。
●B級映画のお馴染みの面々が出ている。
●とりあえず爆発する。
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