目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「キラー・シャーク 鮫人間」
・製作年:2005年
・製作国:アメリカ
・上映時間:93分
・原題:「SHARKMAN/HAMMERHEAD:」
・監督:マイケル・オブロウィッツ
・製作:ケネス・M・バディッシュ
・出演:ジェフリー・コムズ/ハンター・タイロ/ウィリアム・ファーサイス/ヴェりザール・ビネヴ……etc.
予告編
『キラー・シャーク 鮫人間』:あらすじ
ある孤島を舞台にサメの幹細胞を移植された”シャークマン”との死闘を描いたパニックホラー。
女性科学者のアメリアのもとに、ガンで病死した婚約者の父親であるキング博士から招待状が届く。どうやらキング博士はがん治療における革新的な発見をしたようだ。
アメリアは勤め先の社長であるホイットニーと、同僚のトムと共に博士の所有する孤島を訪れるが……。
「キラー・シャーク 鮫人間」:感想/ネタバレあり。
「主人公一行が、孤島に向かったら怪物に襲われたでござる」、とうよくあるプロット。
ここまでなら、よくあるモンスターパニック映画だが、この映画の本質は、実にスティーブン・セガール的な男のマッチョな願望で構成されている。
「サメ映画」と「マッチョ無双映画」のハイブリット作品という、大変ニッチな作品です。
◇原題は”Sharkman”
ありふれた邦題からは想像できないが、今回襲ってくるのは人間にサメの幹細胞を移植した”シャークマン”=サメ人間です。
それも合体させれたサメが”シュモクザメ”と妙に変態チックなチョイスだからたまらない。
なかなか凝ったデザインです。
しかし、残念な事にこの”シャークマン”木の陰から様子をうかがっているシーンや、水辺で襲ってきてはすぐに潜ってしまい、全身が映るシーンがほとんどない。
(照れ屋さんかな?)
もとは人間でヒロインであるアメリアの婚約者だったのだが、ガンの治療の為にマッドサイエンティストのお父様に、サメの幹細胞を移植されて”シャークマン”と化してしまう。
そんな仮面ライダーもビックリの悲劇の男なのだが、この映画では影が薄い。
だいたいマッドなお父様と、アメリアの同僚でIT部門主任のトムのせい。
◇マッドサイエンティストのキング博士。
典型的なマッドサイエンティストの素敵なお方。
息子がガンになった。
サメの免疫機能は素晴らしく、ほとんど病気らしきもがない。
息子を救うためにまだ実験段階だが、サメの幹細胞を移植する←わかる。
息子に奥さんを与えて子孫を残させよう←まだわかる。
息子の子孫は”サメ人間”として完成させられた種で、海は人間にとっての新大陸となるのだ!←ちょっと何を言ってるのかよくわからない。
”サメ人間”を繁殖させて人類を海に適応させようとしていること以外の言動は、だいたいまともなのが怖い。
ただのマッドサイエンティストかと思いきや、孤島を所持しているだけではなく、私設軍隊と研究所に、ヘリまで持っているブルジョワジーなお方である。
孤島に隠遁する前は、名のある科学者設定(だったような気がする)
息子であるサメ人間の繁殖が上手くいかないのが最近の悩み。
息子がかつて愛したアメリアなら、息子の繁殖が上手くいくのではないかと、アメリアを付け回すちょっとアレな人。
シュモクザメにウットリする人。
サメが絡むと危ない人で、”サメ人間”より濃い敵キャラクターとして、この映画の方向をうやむやにするのに一枚かんでいる。
◇IT部門主任のトム。
この映画がよく分からない方向に進んでる最大の戦犯。
美人科学者のアメリアに惚れてる、渋い声をしたちょいメタボなナイスガイ。
◇以下トムの行動を箇条書きで記す。
●浸水する部屋に閉じ込められ皆がパニックに陥る中、一人冷静に脱出経路の確保+水中でサメ人間に銃撃を行う。
●屋上で皆の上着を集めて、さも当然の様にロープを素早く作る+ロープ降下指導を行う。
●ジャミングシステムを一発で見破る。
●仲間を助けるために銛一本で水中でサメ人間に挑む。
●倒した敵から銃はもちろんのこと、ナイフとガンベルトを慣れた手つきではぎ取る。
●研究所の電子ロックを破る。
●冷静沈着で切り替えが早く、サメ人間の弱点を見極めるべきだと、アメリアに提案。
●監視に気づく。
●薬品を利用して殺傷能力のあるブービートラップを短時間で仕掛ける。
●一人だけ捕縛を免れて潜伏。
●サメ人間に効果のある薬品を見極めて使用する。
●ナイフ投げ、近接格闘、銃器の扱いを心得ている。
●キング博士の私設軍隊に対して、兵士13人、ボート2隻、車両1台、ヘリ1機の損害を与える。
●研究所を爆破。
元特殊部隊の隊員が、過去を消してIT部門に再就職したのでしょうか?
セガール映画を借りてきた覚えはないんですがね。
キング博士:「なぜあの連中はまだ生きている!」
だいたいトムのせい。
このおっさんのせいで”美人科学者”も”サメ人間”も、ほぼ空気と化している。
しかし、このおっさんのおかげで、この映画が印象に残るのも事実なので評価に困る。
監督と脚本家は、途中でなにか変だと思わなかったのだろうか?
それとも、最初から”怪物と戦うセガール的”な映画を撮るつもりだったのだろうか?
謎は深まるばかりだ……。
この監督は『撃鉄 GEKITETZ ワルシャワの標的』、『沈黙の標的』とうのスティーブン・セガール主演の映画を幾つか撮ってます(笑)
もう、セガール映画でいいや(笑)
総評・感想まとめ
●怪物よりも怪物的なおっさんを愛でる映画。
●珍しい”サメ人間”にもっと出番をあげて欲しかった。
●キング博士のマッドサイエンティストぶりはよかった。
●IT部門に対する見方が変わる映画。
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コメント
モンスターのできはわるくないし、内容もアクションもも面白かった。何より見てて冷静な判断力とちゃんとしたスキルのある主人公なら予想外のモンスターや敵でもきっちと対応できるという見本みたいな映画だった。特殊部隊物でも阿呆みたいな行動を取って全滅するモンスター映画はあるからね。
冷静な判断力とちゃんとしたスキルのある主人公>モンパニ映画界で1,2を争う戦闘能力を持つキャラクターがいたが、彼の肩書はIT部門の主任です。
特殊部隊物でも阿呆みたいな行動>むしろこの作品だと、敵側のマッドサイエンティストの私兵がこのポジション(笑)