今日紹介する映画はこれ↓
えぇ……なんだか凄いパッケージです。
パッケージから漂う地雷臭。
ここまで期待できない作品はそうそうないのではないだろうか?
販売元:竹書房
2013年
監督:ブレッド・パイパー
81分 ・原題「QUEEN CRAB 」
『ビッグ・クラブ・パニック』:あらすじ
小さな田舎町で、家畜が行方不明になる事件が続発する。
保安官のレイは、野生生物局のマッケンドリックと共に捜査にあたる。
やがて、二人はとてつもなく巨大化したカニの存在にたどりつく。
レイは、姪のメリッサが何らかの事情を知っている事に気づくが……。
●総評:E
●ストーリー…………✖、適当にぶん投げる。
●キャラクター…………△、キャラは立ってる。演技が…。
●怪物…………………△、カニさん。レア度は高いがどうなんだ?って話。
《この映画の印象に残ったところ》
●どのような狙いで作られたのか全くわからない映画。………………………………………?
●ストップモーションアニメで表現された巨大ガニが(ある意味)凄い。………………………△
●モンパニなのか、怪獣映画なのか、少女と怪物の友情物なのか、コンセプトがわからない。……?
●尺稼ぎに意味不明なシーンを多く入れすぎだと思う。…………………………………………✖
●冒頭のカニと少女は可愛かった……………………………………………………………………◎
●笑えるシーンは多かったが、怪物映画にそれは期待してない。……………………………………△
●しかしパッケージ裏面の、監督:ブレッド・パイパー『アラクニア』 の表記を見て納得済みで借りてきたので文句を言ってはいけないのだと思う。……………………………………?
●この映画は、巨大ガニの上で座禅を組む新しいタイプのヒロイン象を、我々に提示してくれた。………〇
●カニの鳴き声?なにそれ怖い……。………………………………………………………………………△
ネタばれありの感想↓。
まず最初にこの映画のあらすじを、をもう少し詳しく説明していきます。
むかしむかし、あるところに動植物を大きく育てる研究をしている男がいました。
その男には妻と娘がいました。
ある日娘は、近くの川で拾ったカニをペットとして、飼うことにしました。
娘は、父親の研究していた謎の木の実をカニに食べさせてしまいました。
しかし、父親は気づいていません。
そんなある日、研究の事故のせいで父と母が死んでしまいます!
時が経ち、一人残された娘は美しく成長しました。
しかし、山奥の小屋に籠り、近づいてくる住民を銃で脅す困ったさんになってしまいます。
何故そんな事をするのか?
娘は、巨大ガニをこっそりと飼っていたのです。
オスだと思っていたカニはメスで、子供を産みました。
腹を空かせた子ガニは周りの人たちに迷惑をかけます。
カニの存在がばれます。
当然退治される流れになるが、娘と野生生物局のあんちゃんはカニを助けようとします。
なんやかんやありますて、娘とカニは末永く幸せに暮らしたそうです。
めでたし、めでたし。
所々で人が食べられてるのを除けば、とても牧羊的なお話です。
次に監督:ブレッド・パイパーについてです。
この監督の名前を憶えているだろうか?
以前、当ブログでも紹介した『アラクニア』という映画を撮っていた、謎のストップモーションアニメの使い手である。
今回もストップモーションアニメで怪物を表現しているのだが、何を撮りたかったのかいまいちよく分からない。
「お前さんはどういった方向性の映画を撮りたかったのか?」
そこんとこ小一時間ほど問い詰めたい。
おそらくストップモーションアニメで何かを作ること自体が目的で、
「何を、どのように撮って、どんな映画にしたい」
、のかはあまり考えてないのでは?そんな印象を受けた。
そもそも、ストップモーションアニメのクオリティー云々の前に、色々と見直した方がいいと思う。
適当すぎるストーリーとか、演技がやっつけすぎる役者さんとか、最後まで観たが、この映画自体が、どのようなコンセプトによって作られたのか分からなかったよ…。
やっぱり、ストップモーションアニメを使うこと自体が、目的だったとしか思えない。
ここまで書いていておいてなんですが、「ストップモーションアニメって何?」、と思ったかたはNHKの『みんなのうた』の映像や、『ウォレスとグルミット』を思い浮かべていただきたい、アレです。
問題はそれで怪物映画を撮るということです。
実はこのストップモーションアニメは、遡ること昔の1933年に撮られた『キングコング』で使われている。
キングコングを表現するのにも使われていた技法だが、ブログ主には2013年にこの技術で怪物映画を撮る意図がいまいち掴めなかった。
ストップモーションアニメで、表現された巨大カニは、思ったよりも滑らかに動いているのにはビックリしたが、妙にシュールで笑ってしまった。
さらにこの映画、怪物だけではなく襲われる人間や、戦闘機と戦車までストップモーションアニメで表現されています。
「もう全部ストップモーションアニメでいいんじゃないでしょうか?」
と思ったがさすがにそれは大変かなぁ~?
しかし、なんでこんなよく分からない映画を撮ろうと、考えたのかやっぱりよく分からない。
思いきって30分くらいの短編にして、あらすじも巨大カニと少女が環境保護をうったえるとかでいいのではないでしょうか?
えっ!?全く違うお話になってしまうって?
巨大ガニが人を襲う映画ってあんまり需要ないと思うですが、ハイ。
ストップモーションアニメの映像は、味があっていいと思います。
ちょっとしつこくなってしまいますが、2013年に人が死ぬ怪物映画を、この技法で撮る必要がどこにあったのでしょうか?
いまいちわからない。
その他に印象に残ったこと①。
物語の都合上唐突にカニの生態について説明してくれます。
海に棲んでるやつと陸に棲んでるやつでかなり違うとか、なんとか。
カニって鳴きましたっけ?それだけ妙に引っかかる。
その他に印象に残ったこと②
パッケージに戦闘機と戦車が描かれています。この手の映画を観慣れていると、良くも悪くもパッケージなんて信用しなくなるものです。今回もどうせパッケージ詐欺だとはなから決めつけていたら、本当に戦車と戦闘機が出てきて大満足。
それも両方ともストップモーションアニメで表現!
うん、意味がわからないよ!
戦闘機が巨大ガニめがけて急降下し、攻撃を加えるシーンは、一見の価値ありだと思う。
笑えます。
戦車も斜め上の登場の仕方をしてくれて大満足。
やっぱり、脚本が狂ってるとしか思えない。
戦車を出したかったのなら、もう少しマシな理屈があってもよかったと思う。
なんだよ、武器マニアがコッソリ持ってたって……。
それを保安官が「仔細は問わないし、見逃してやるから、仲間と一緒に武器持って集合な☆」、と呼び出すわけですよ。
いいのか?それで!
その他に印象に残ったこと③
劇中の流れで州兵の出動を要請するシーンがある。
保安官が電話するのだが、理由を正直に言ってしまいます。
「巨大ガニです」
↓
やっぱり本気にされない。
うっ…凄い!これと同じ展開をどこかで見たような気がする!
結局、州兵のお偉いさんに知り合いがいて、そっちのつてで爆撃が始まる流れ……。
この監督はこのギャグを気に入ってるのだろうか?
その他に印象に残ったこと④
カニに吹っ飛ばされて、どっか飛んでいったおっちゃんが、次のカットでまた銃を撃ってたりする。
カニをやっつけて喜びにわく一同の中にちゃっかり混じって、バトワイザーあけてるおっちゃん。
編集がグダグダじゃねーか!(*`Д’)
『ビッグ・クラブ・パニック』の感想まとめ。
ある意味色々と期待値以上の作品だった。
映像資料としてはかなり面白いと思う。
しかしどういったスタンスで、この映画を観賞すればいいのかやっぱり分からない。
カニの鳴き声だとか、巨大ガニの上で座禅を組む不思議ちゃん系ヒロインなど、頭の中に引っかかって上手く処理できない要素が多い。
(↑この映画と同じく人喰いの”カニ”が出て来るお話。中身はストレンジ・ラブ・ストーリーで不思議と引き込まれる作品)
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コメント
未見。取りあえずレンタル屋で似たようなタイトルのビッグバグズパニックがあったので借りたが面白かった。スタングとタメを張れる。仕方がなかったので予告だけ見るが何か妙にカニの動きがかわいい。
似たようなタイトルのビッグバグズパニック>そっちの「ビッグバグズパニック」はこの手の作品ではかなりハイクオリティーの名作ですよ。確か少ないながらも劇場公開されたぐらいの出来。
予告だけ見る>「ビック・クラブ・パニック」の面白いシーンはだいたい予告編で紹介されていますので、それで十分ですよ。
どちらかと言えば、マニア向けのZ級映画なんであまりお勧めしない。
しかし、貴方はかなりの豪の者とお見受けする。よって機会があれば是非一度観て頂きたい。