B級作品のレビューばっかり書いていくのも疲れたので、この手の映画の中でもよく出来た傑作のレビューを、時々は書いていきたいと思う。
イメージとしては、もやしと納豆だけの食生活をしていたら倒れてしまった男子学生。(なんのこっちゃ…)
そんな訳で、今回紹介する作品は「28日後…」です。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「28日後…」
・製作年:2002年
・製作国:イギリス
・上映時間:113分
・原題:「28DAYS LATER」
・監督:ダニー・ボイル/『トレインスポッティング』『ザ・ビーチ』
・脚本:アレックス・ガーランド ・音楽:ジョン・マーフィー
・出演:キリアン・マーフィー/ナオミ・ハリス/クリストファー・エクルストン/ミーガン・バーンズ/ブレンダ・グリーソン/レオ・ビル/ルーク・マブリー……etc.
予告編
良くも悪くもゾンビ映画ですので、ストーリー的な点ではそれ程ネタバレ要素もないですが、その辺が気になる人は、先に観賞することをお勧めします。
ゾンビ映画の中では、傑作の部類というよりも”観ておくべき古典”になっている作品なので、ゾンビやグロに抵抗がなければ、是非観賞してみて下さい。
※ただし過激なグロシーンが、ちょっとばかし多いです。
「28日後…」:あらすじ
たったの一滴で人間の精神を破壊するウィルスが見つかる。
それに感染した人間は、激しい怒りに支配され、相手を殺そうと襲いかかる。
バイク便で働くジムは、交通事故に遭い、病院の集中治療室で目覚める。
しかし、病院は無人で、外に出ても荒廃した世界が広がるばかり。
街をさ迷っている内に、感染した人間に襲われたジムは、生き残っていた女性のセリーナに助けられるが………。
「28日後…」:感想/ネタバレ有
今では、すっかり定着した感じのする”走るゾンビ”ですが、その走りである作品が、この『28日後…』と『ドーン・オブ・ザ・デッド』です。
共に、2000年代初めの作品です。
なぜ、”走るゾンビ”が定着したかと言えば、この二作品が傑作だったのも大きいと思います。
”走るゾンビのはしり”……(゚Д゚≡゚д゚)エッ!? 今何か、面白いこと言わなかった?Σ( ̄ロ ̄|||)
みどころ:走るゾンビのはしり。
この作品のゾンビは走る。もう全力疾走で向かってきます。
つーか、走るだけではなく跳ぶ。
上から突然降ってくる。
とにかく、動きが早くアグレッシブに襲いかかって来る。
”ゆっくりとした動作だが、噛まれた人間は感染し、どこにでもいて数が多くてしつこい”
そんな従来のゾンビのイメージとは、全く違った恐怖を味わえる作品です。
従来のゾンビでよく言われているのは「資本主義への皮肉」って意見です。
ジョージ・A・ロメロ監督の元祖『ゾンビ』ではゾンビたちが、巨大ショッピングモールに集まってくる。
彼等は人間だった頃の記憶を基に、フラフラとショッピングモールに寄って来る。
生前の欲望が、死してなお肉体を支配しているわけです。
そんな従来のゾンビが資本主義への批判なら、本作『28日後…』の走るゾンビは戦争や暴力への批判なのではないだろうか。
それならば、今回の騒動の発端になったのが、正義漢面した人達の余計な行動なのも、後半ゾンビよりも暴走した軍人たちのが恐ろしいのも、パンチの効いた皮肉として生きてくると思う。
この映画の作られたのが、ちょうど世界中がきな臭い方向に向かって行った時期だったなぁーと振り返って思った。
《この映画の雑多な感想》
●内容は、血生臭いシーンと綺麗なシーンを、交互に繰り返しながら進む。
所々ロードムービーっぽいシーンもあって、映画の構成としては面白い。
光の明暗の使い方が綺麗。
●ストーリー自体は、イギリス映画らしく淡々と進んでいく。
重要そうな人物が非常にあっさりと退場したりするため、好き嫌いが分かれると思う。
フランクに話しかけてくるフランクさんなんて流石にイギリス人のユーモアはエスプリが効いてる……えっ!?違うって!Σ(゚д゚;)
●ラスト15分の主人公の覚醒ぶりが凄かった。
急に強くなって無双する展開ではなくて、逃げ回りながら、その場その場の状況を活かして武装した屈強な男達をボッコボコにする様が痛快だった。
前半ただのヘタレだったのに…。
●逆に、ヒロインは登場時メスゴリラなのに、どんどん綺麗なねーちゃんになってくのがね…。
●音楽特にテーマ曲は非常に印象に残る。
テーマ曲はiTunesストア等でも売っているので、気に入った人は買ってみるといい。
これを聴きながら人気のない道を歩けば、気軽に黙示録気分が味わえます。(お勧め)
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡♡♡♡♡ 9/10
●キャラクター………◎
・登場人物が、少ない分一人一人が、しっかり描かれている。
・
●ストーリー………◎
・前半と後半で、それぞれ撮りたいテーマがはっきりしていて良かったと思う。
・ゾンビ映画にしては、ストーリーがしっかりしている。
●カメラ・演出とう………〇
・多用される、揺れるカメラは賛否両論ありそう。
・テーマ曲が秀逸。
●怪物……◎
・”走るゾンビ”を作ったのは大きな功績。
・
●その他・印象に残ったところ
・”走るゾンビ”
・明暗の使い方が上手い。
・イギリス映画らしく淡々とした作風。
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◇続編のレビューはこちら↓
コメント
内容云々より映画の紹介コーナーで「走る、走る、俺たち~」と名曲がランナーがながれて笑った。
「走る、走る、俺たち~」と名曲がランナー>世代の呪いです(笑)