今回紹介する作品は「サンズ・オブ・ザ・デッド」です。
アート系ホラー映画。
もしくは、監督が怪物そっちのけで、説教を始める類の映画。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「サンズ・オブ・ザ・デッド」
・製作年:2015年
・製作国:アメリカ
・上映時間:92分
・原題:「IT STAINS THE SANS RED」
・監督:コリン・ミニハン
・製作:ブランドン・クリステン/ビック・トラン ・製作総指揮:マーク・ミリアード
・出演:ブリタニ―・アレン/フアン・リーデインガー/クリストファー・ヒギンス/マーヴィン・モンデシア……etc.
予告編
↑日本語版が見つからなかったので、英語ver.
「サンズ・オブ・ザ・デッド」:あらすじ
「ゾンビが蔓延した世界、ストリッパーのモリーは、恋人のニックと一緒に飛行場に向かっていた。
しかし、砂漠のハイウェイの真ん中で、ニックが喰い殺されてしまう。
一人残されたモリーは、歩いて飛行場に向かう事を決意するが、ゾンビだけではなく、生き残った人間と過酷な環境とも、戦わなければならないのだった……」
「サンズ・オブ・ザ・デッド」:感想/ネタバレ有
いわゆる「アート系ホラー作品」である。
「ゾンビをぶっ殺せ!」なんてノリの作品と思って借りると、痛い目を見る。
ゾンビのメイクとか、チラッと映る破壊された街の様子は悪くない。
ただし、ほとんどバトルはないし、前半戦はほぼ砂漠を歩いているだけという、とんでもない作品です。
しまった!これは真面目な映画だ!
この映画は、監督が怪物そっちのけで人生哲学を、好き勝手に語るタイプの映画。
同じタイプの映画としては、『アローン・イン・ザ・デッド』や『ローンウルフ~真夜中の死闘』が挙げられる。
こういった作品が、コンスタンスにリリースされている点を考慮すると、それなりの需要があるか、もしくは「怪物の出てくる人間ドラマ』を撮りたい思う瞬間が、映画監督にはあるらしい。
特徴としては、
①シリアス展開。
②映像や音楽は、B級映画にしては芸術性が高い。
③怪物のホラーパートや、アクションパートはおまけ。
④なんとなく説教臭い。
⑤含みのあるバットエンド。
⑥お色気シーンはない。
⑦一目で愚か者だと分かる、バカなキャラクターは出て来ない。
⑧演技のできる俳優を引っ張ってくる。
、等が挙げられる。
よって、いつものバカ映画を期待していた人たちには、
「つまらない」
の一言で切って捨てられるはめになる、業の深い映画である。
さて、前口上はこの辺にして、この「ゾンビが出てくる説教映画」の感想に移りたいと思います。
監督は『グレイブ・エンカウターズ』のコリン・ミニハン監督。
コリン・ミニハン監督が、人生に疲れた現代人に贈る<現代の寓話>
ふと、人生を振り返る時がある
(※後ろにゾンビがいます)
そんな事を考えたって無駄だって解ってる
(※後ろにゾンビがいます)
後悔したってもう遅い
(※後ろのゾンビ、うめき声をあげる)
それでもあの時、あんな選択をしなければ
(※後ろのゾンビ、石につまずいてよろめく)
あんな言葉さえ、口にしなければ
(※後ろのゾンビ、こけそうになるも、踏ん張る)
こんな結果には、ならなかったんじゃないかな?
(※後ろのゾンビ、ちょっと手を伸ばす)
ねぇ、もしかして私人生をやり直していいのかしら?
(※後ろのゾンビ、ひっくり返る)
私、本当は何が大事か気づいたの!
(※後ろのゾンビ、石で頭をかち割られる)
この映画、だいたいこんな↑みたいな調子が40分続きます。
前半40分、主役の女優と一匹のゾンビと砂漠しか映さない。
もう本当に、ヒロインの後ろを延々と一匹のゾンビが追って来るだけ。
その映像が、緊張感をはらんだ恐ろしいものであるかと言えば、そうではなく妙に牧羊的。
どこまでも明るくて、乾いていて、あっけらかんとしている。
なんとなく、『トレマーズ』を彷彿させる、命のやり取りが行われているとは、思えないカラッとした明るい雰囲気が画面に漂っている。
はっきり言って、退屈で動きのない場面が延々と40分ぐらい続く。
その間にヒロインは、ゾンビを罵りながら砂漠を延々と歩いてデトックス。
ゾンビのお陰でコカイン中毒も卒業。
ゾンビのお陰で、自分は何をするべきか気づく訳です。
そんなヒロインが、いつしかゾンビに特別な感情を抱くのは当然の成り行きで……。
いや、ブログ主がふざけている訳ではなく、本当にこんな感じの映画なんですよ。
ついにゾンビと人間に温かい感情がね!愛がね!芽生えるですよ!
結局、噛まれて頭を自主規制してますけどね、映画を観ながら、久方ぶりに本気でツッコミましたね。
ねーよ!(ヾノ・∀・`)ナイナイ
40分過ぎぐらいの場面で、やっと新しい登場人物が出てくるが、そのシーンで一番喜んでるのは、ヒロインではなく視聴者だと思う。
やっと画面に変化が起きた!って、まさか映画と現実がリンクするとはね!
視聴者まで、日射病に罹ったかのように、頭が朦朧としてくる映画。
全体的に意味不明な、しかし、説教しようとする気概だけは、伝わってくるシーンが多い。
なんとなく、監督も撮影で砂漠にいる間に日射病になって、朦朧となりながら脚本をかいたとしか思えない。
そんな作品。
あんまりお勧めはしない。
間違っても、新作料金で借りるのはやめた方がいいと思うよ。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡ 4/10
●キャラクター………○
・キャラは立ってる。しかし好きになれるかは別問題。
・ヒロインとゾンビ以外、ほぼ出てこない構成。
●ストーリー………△
・シュール系なのか、説教系なのか分からない。
・何がやりたいのかはなんとなく伝わってくるが、ちょっと受け入れられないかなー。
●カメラ・演出とう………△
・映像の撮り方だけは綺麗。
・ただし、変わり映えしない砂漠の映像を延々と…(以下略)
●怪物……△
・ゾンビです。今作では主人公に”愛”を理解させるために降臨。
・↑意味がよく分からない。
●その他・印象に残ったところ
・前半40分くらい、延々と代り映えのない映像を見せられる。
・ヒロインの男運のなさ。
・監督が、ゾンビを出汁にして説教したいのは、なんとなく伝わってくる。
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