今回紹介する作品は「レジデント」です。
主人公の残念イケメンが、イケメンな故に、色々と許された感じのゾンビ映画です。
……フツーは、女の子の部屋を双眼鏡で覗いたのが、相手にばれた時点で「3アウト」ですよね。一発アウトですよね。それどころか、次の日にはクラスでゴミムシのように扱われるコースですよ。
お前、なにその後いい感じになってんの?
どんだけ、イケメンなのか。まぁ、王子様系の青年だったけどさ……。
目次
作品情報・スタッフ・キャスト
「レジデント」
・製作年:2015年
・製作国:デンマーク
・上映時間:81分
・原題:「SORGENFRI/WHAT WE BECOM」
※邦題の「レジデント」は「居住する」みたいな意味。
・監督:ボー・ミケルセン
・製作:サラ・ナメール ・製作総指揮:ミタ・ルイーズ・ホルデイガー・音楽:マルティン・ペターゼン
・出演:トールス・リュービュー/ミレ・ディーネセン/ベンジャミン・エンジェル/エラ・ソルゴード/マリ―・ハマー・ボーダ/テレーザ・ダムスゴード/リタ・アンジェラ/オーレ・デュポン/ミケル・ビアクケーア……etc.
予告編
↑サムネ画像が酷いが、かなり切迫したシーンだからな。ギャグにしか見えない。
「レジデント」:あらすじ
デンマーク首都のコペンハーゲン近郊の閑静な住宅街。平穏なこの街に異変が起きていた。
始まりは、原因不明の病気で死んだ老人の遺体が消えた事だった。それを境に、パトカーが何台も街を走り回り、遂には軍隊によって街は封鎖されてしまう。
テレビによると、謎の感染症によるもので、原因はもっか究明中とのこと。住民は家から出ないよう通告される。
そんな状況でもディノ家の長男のグスタフは、思いを寄せている隣人のソニアに会いに、こっそりと家を抜け出すが……。
「レジデント」:感想/ネタバレ有
デンマーク産のゾンビ映画。デンマーク産とは珍しいが、ゾンビ映画だとだいたい同じになる不思議。
人間を丁寧に撮ってある作品だった。
「平和な日常とその崩壊」がテーマなんじゃないだろうか?
そのため、かなり丁寧に日常パートを撮って、中盤からそれを崩し始めて、ラストで一気にいった感じがした。政府による隔離、その隔離された住民たちが、閉ざされた場所でどう過ごしていたのかが、念入りに描写していた。
その辺が、だるく感じるが、同時に新鮮に感じた作品。
みどころ:これだからイケメンは……。
本作品は、ゾンビパンデミック前の街の様子=日常をじっくりと描いている。その中心にあるのがディの一家であり、そこの長男のグスタフ君が本作の主人公。
このグスタフ君、どうやら隣の家に引っ越してきた家の娘さん・ソニアにホの字である。まだ少年の面影を残すグスタフ君は、自身のあふれんばかりの思いを伝えるすべを模索中で、とりあえず、敵を知らんと双眼鏡で覗きに励む毎日である(おいっ!)
あろうことか、双眼鏡で覗いているのをソニアに見つかってしまう。
普通ならこの時点で3アウトである。もしくはゲーム自体から退場であるが、このグスタフ君、貴族的な感じのする背の高いハンサムである。
相手のソニアもこれまた、上品な感じのスラっとした美人さんなんだが、まぁ、まんざらでもない感じでくっつく。
これだからイケメンは……。
いや、嫉妬じゃないぜ。
ゾンビ映画のドラマパートにつっこむほど野暮な性格じゃないぜ…と、いや、いつもツッコミ入れてるじゃん。
まぁ、隣のお嬢さんとねんごろになって、めでたしめでたしかと思いきや、ここで重い出したかの様に、ゾンビパンデミックが本格始動。
最初はパトカーや救急車が何台も通り過ぎ、テレビでは謎の感染症が流行っている事を伝え出す。
あれよあれよという間に、街は軍隊によって閉鎖され、家は覆いを被されてしまう。
そして、銃を持った男達が住民を連れていき、連れていかれた者は、誰一人として帰ってこなかった……。
そんな中、ソニアの身を案じたグスタフは、家を抜け出して、街の様子を見に行く。
その際に、閉じ込められていた感染者を、そうとは知らず、解き放ってしまって……。
主人公のやってることがたいがいなんだけど、何故許されてしまうのか?
※ただしイケメンに限る
というやつですかね。
ゾンビ映画の原点に還って。
ゾンビ映画には珍しく、途中まで政府による隔離が、かなり上手くいっていた。
また「噛まれた人間もゾンビになる」というゾンビ映画の大原則も、最後の方まで謎のまんまだったのも珍しい。
最近のゾンビ映画は、「ゾンビに噛まれたらゾンビになる=そいつも殺せ!」となるスキームが異常に早く来る。
あろうことか「映画と一緒だ」と言い出すしまつである。
この「ゾンビになる原因はわからない」というところに、寓話的な、もしくは宗教的なモチーフが入るのだが、大抵の作品はだいたい、さっさと「ゾンビぶっころ」にシフトしてしまう。
よくも悪くも「ゾンビ」という現象を受け入れ過ぎだ。
そういった点で、この映画は珍しかったかなぁー、と思う。
【感想まとめ】
全体的にホラー要素、ゾンビ要素は薄い作品です。
「平和なが日常が崩壊し、それに巻き込まれたある家族の様子」、「日常の崩壊と若者の逃避行」みたいなのがテーマなんだと思う。
正直、↑こういったテーマや作風ならゾンビなんて選ばなくてもいいんじゃないかな?
ホラー映画にしては、ストーリーの「起承転結」がしっかりしている。さらに、映像や音楽が綺麗で、出てくる俳優陣が、軒並みお上品だ。
主人公とヒロインが美形なんで、まぁ、観ていられるかな。
それにしても「イケメン無罪」なんですかね。
最後は走っているだけなのに、まぁ、画になる事と言ったら……。
総評・感想まとめ
総評:♡♡♡♡♡ 5/10
●キャラクター………○
・キャラクターは非常に丁寧に描いている。
・演技は落ち着いて観てられるクオリティがある。
●ストーリー………○
・ゾンビ映画・ホラー映画というよりは、ドキュメンタリータッチの人間ドラマ。
・中盤まで退屈。最後はやや、ぶん投げた印象。
●カメラ・演出とう………○
・映像は綺麗だった。音楽も静かで綺麗。描写は、やや回りくどいが丁寧かつアッサリ。
・↑あんまりホラー映画ぽくない。
●怪物……○
・伝統的なノロノロゾンビ。いっぱい出てくる。
・↑パンデミックの下りも丁寧に描くため、逆に新鮮に感じた。
●その他・印象に残ったところ
・シチューの下り。
・「平和な日常とそれの崩壊」がテーマで、丁寧に描写している。
・「ニュースと同じさ、現実じゃないだけ」
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